こんにちは、TAFです。
毎月1回暮らしや住まいに関するコラムを掲載していきます。
今回は擁壁についてお話します。
■擁壁とは
擁壁(ようへき)とは簡単に言うと住宅の土台になる部分の土地が他の部分と高低差がある場合の段差、側面が崩れるのを防ぐための土留めの役割の壁状の部分です。お城の石垣のようなイメージでも良いかもしれません。
坂道に面した土地などは、傾斜のついた道路部分と住宅を建てている土地の角度の差で土地の側面に擁壁を設けているところを見ることが出来ます。
坂の町ではなじみのあるものですので、こうした場所に住宅を持っている、またはこれから住もうと思われている方は擁壁の特徴について意識をしておいていただければと思います。
■擁壁のある土地のメリット
擁壁がある土地、ここでは傾斜地にある住宅地としてお話ししますが、こうした土地は平らな地域の土地より価格が安く購入出来る場合があります。また階段状に周囲の住宅と同じ高さで並ばないため、日当たりを得ることが出来たり風通しが良い、窓からの展望が望めたりと、人気がある土地である場合も多くあります。
■擁壁のある土地のデメリット
しかしながらデメリット、リスクもあることを注意しておく必要があります。
まずは傾斜地のなかに階段状に平坦な土地を確保するために、まずはこの平面部分を造成する必要があり、そのためにはいくつかの方法あります。
こうした土地の造成手法として、元の地形に土を盛って階段上に平坦な土地を作る「盛り土」と、逆に元の地形を削って階段状に平坦な土地を作る「切り土」といったものがあります。
また、ある程度の高さまでは切り土でさらにそこに盛り土をして造成する複合的な手法で行われる造成地もあります。
こうしたことから、切り土で造成した土地は元々の締まった土地を切り出しているため地震などの自然災害に強いと言われます。
盛り土では元々の締まった土地の上に新たに土を盛り固めて造成しているため、切り土と比べ自然災害に弱いとされています。盛り土は3~5年で土地が固まり始め、定期的に重機を入れ土地の沈みを固めていくことで10年ほどでしっかりとした土地になるとされています。
土地の価格としてはどちらも造成地として変わらないことも多いので、価格だけで見分けることは難しい場合があります。
しかし2011年の大災害以降こうした土地の強さに対しての関心が高まったため、どういう形で作られている造成地なのかについての情報を得やすくなってきています。
階段状になった土地の側面は擁壁が作られ土地の崩壊が起こらないようにされています。このためこの側面の擁壁に対して横向きの圧力がかかっています。こうしたことから長い年月を経ると擁壁に大きなヒビがあらわれるなど痛みが見られ始めることもあります。擁壁は一度作ってそれで終わりというものではなく、長期的に見ると維持のために補修や改修といった維持のための費用が掛かることを頭に置いておく必要があります。
いかがでしたか。
擁壁は傾斜の多い地域に住まわれている方には身近なお話しです。
次回も引き続きもう少しお話し出来ればと思っております。
それでは次回コラムもお楽しみに。