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アスベスト建材の処理

こんにちは、TAFです。毎月1回暮らしや住まいに関するコラムを掲載していきます。
さて普段の生活ではあまり気にすることもありませんが、リフォームなど住宅に手を入れる場合これまで以上に気を付けるようにされてきていることがあります。
今回はアスベスト建材の処理についてお話します。

■アスベストの健康問題
アスベスト(石綿)は1970~90年代頃までは不燃性と加工が容易で安価であることから住宅や学校などの公共施設、工場建屋などで多く利用されていました。
しかしアスベストは当時から飛散した微細な粉を吸い込むことで肺がんなどを発症する健康被害が懸念されていました。
その発症までには15年~20年の潜伏期間があり、すぐに被害が出ないことから長くメリットのほうが重視され広く使われていました。
日本においては1989年にWHOがアスベストの使用禁止を勧告したことを受けて、1970年代から段階的に規制措置が取られるようになっていましたが、2005年国内の機械メーカーの工場の作業員と周辺住民に多く健康被害が確認されたことをきっかけに世間での注目度は高くなりました。

■身近な建物で見られるアスベスト建材
アスベストは1975年(昭和50年)に一部使用が禁止されたことを皮切りに段階的に品目ごとの禁止、一定の含有量の禁止など使用の制限が進み、2012年(平成24年)に完全に禁止となりました。
しかし現在も住宅の外壁や室内の天井化粧板、洗面所やトイレなど水回りの壁板、マンションやアパートのベランダに設置されている緊急時に破壊して避難するための仕切り板のケイカル板、屋根材として使われているスレート板(フレキシブルボード)や工場や倉庫などで見られるスレート波板にはアスベストが含まれている建材が使用され続けている可能性があります。
とは言え平成初期頃~中期頃に建てられたものの場合、破壊時の飛散が少ないとされる非飛散性石綿のものであることが多く、ただちに危険があるものではないとされています。

■リフォーム時などには注意が必要
大気汚染防止法に基づく石綿(アスベスト)障害予防規則の改正により2022年4月以降、建築物や特定の工作物の一定規模以上の解体や改修工事において、アスベストの有無の事前調査結果の報告が義務付けられました。
現在ではアスベスト不使用のスレート板、ケイカル板といった建材が販売され建築で使用されていますが、こうしたものは目で見るだけで使用不使用を判断することは難しく、正確な判断には専門の分析が必要です。
また2023年10月からはこの調査は有資格者のみが行えることになました。
そのためリフォーム工事などでは木材、金属、石、ガラス、畳や電球のよう明らかにアスベストを含まないもの以外はすべてアスベストを含む可能性があるものとして可能な限り割らず、飛散しないよう撤去作業が行われるようになっています。

■アスベストのリフォーム補助金
アスベストを除去するリフォームには国や自治体からの補助金がありますが、飛散の可能性が高い吹き付けアスベストにともなう調査、除去・封じ込め工事に適応されるため、近年の住宅で使用されているような非飛散性のもののリフォーム工事では適応はされていません。

このように近年ではこれまで以上にアスベストへ気が配られる環境が出来てきました。
古い住宅よりはアスベスト被害の可能性が低い建材が使われるようになっているとはいえ、リフォーム工事の際にはこうした配慮がとられることにより、より耳にすることが多くなるかと思います。しっかりした知識と対応をお願い出来るリフォーム業者へ依頼し、健康な暮らしをおおくりいただければと思います。
それでは次回コラムもお楽しみに。

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