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擁壁について②

こんにちは、TAFです。
毎月1回暮らしや住まいに関するコラムを掲載していきます。
さて前回は傾斜地にある住宅地に住まわれてる方にはとても身近な擁壁について傾斜地の住宅のメリット、そして造成地の造りを加えてデメリットについてお話ししました。
今回も引き続きこうした擁壁についてのお話しをしていきたいと思います。

■造成地であるかの確認
まずは対象の土地・地域が造成地であるかどうかを調べてみましょう。
調べるためには都道府県ごとのホームページで公開されている「大規模盛土造成地マップ」が役に立ちます。
大規模盛土造成地マップは大雨や地震などの天災に関連して地すべりなどが起こるケースも見られるようになっていることから、こうした被害に備えるための情報の一つとして、近年公開されるようになってきました。
ただしすべての造成地が詳細に分かるものではなく、過去の地形と近年の地形図を合わせた高低差から見れる情報として制作されており、大まかな参考としてのものであることを理解しておく必要があります。

■災害対策として情報を得たい場合
対象の土地・地域の安全性についても知りたい場合は、上の大規模盛土造成地マップでは調べることは出来ません。
地震などが起きた場合の危険箇所かどうかについては、国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」で調べることが出来ます。ここでは都道府県ごとに製作されたハザードマップを見ること出来、洪水や土砂災害、津波についての危険性がある場所の情報を知ることが出来ます。
また、同じく災害対策としては都道府県ごとに公開されている砂防三法指定区域(砂防指定地・地すべり防止区域・急傾斜地崩壊危険区域)についても合わせて調べるとよいでしょう。

■擁壁を作って少し高さのある住宅を建てる場合の注意点
他の住宅と高さをつけることで、風通しや景観の向上、庭やエントランスを含めた住宅のデザイン性を高めることが出来ます。
こうした場合に少し知っておきたいことが「宅地造成等規制法」「がけ条例」です。
これは高低差のある土地の周辺の安全を守るために制定されていて、擁壁を用いた造成の高さや角度を定めています。
例えば、
・高さ2メートル以上の崖の切土
・高さ1メートル以上の崖の盛土
・切土と盛土を同時に行う時、合計した高さが2メートルを越える
・切土と盛土を併せた面積が500平方メートル以上
などに規制があるため擁壁を用いた住宅を建てたいと考える場合、まずはデザイン的にこうしたことをクリア出来ている土地であるかを事前にイメージしてみる必要があります。

■擁壁の痛みに注意する
擁壁は土台状の地面の側面を土留めとして覆っているため。横向きの圧力や染み出す水などの影響を受けています。
そのため長い年月により痛みが出てきます。これについて一概に対応年数ということは言えるものではないかと思います。
また地震や大雨などにより大きく痛みが生じることもあります。地域全体が造成地で大きな擁壁で囲まれている場合、傾斜のある土地の数件単位の区画ごとに擁壁がある場合、個別の住宅の土地を擁壁で高さをつけている場合などさまざまあるかと思いますが、定期的に目視でヒビなどが生じていないかを確認するようにしましょう。

■擁壁の修理
擁壁にヒビが生じる、以前はなかった異常な水の染み出しなど痛みが出てきている場合は、リフォームなどを請け負っている業者に依頼し修復を行います。
またこうした擁壁専門ではしっかりとした調査を行うことが出来るところもあり、ヒビなど目視でわかる痛みがない場合でも、音などによる状態の診断も行われています。
3、40年など擁壁の築年数の古い場合は目立った痛みがない場合でもこうした調査をしてみることをおすすめします。

いかがでしたか。
坂の多い町では擁壁とても身近なものです。快適で安全な暮らしのためにも少しでも意識していただければと思います。
それでは次回コラムもお楽しみに。

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